僕なりの参院選争点 #002

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次は原子力発電の問題。

現在は原発のある国のほとんどが、使用済み核燃料を含めた核廃棄物を地上に保管している。これはあくまでも仮保管であり、最終処分は決定していない。

唯一フィンランドだけが地下420メートルに最終処分場を建設し、ここに5,500トンの高レベル放射性廃棄物を埋設する計画だ。10万年という長い間、ここに埋設した放射性廃棄物の影響がなくなるまで。

プルトニウム239の半減期が2.4万年。2.4万年経過しても、その影響は半分にしかならない。2.4万年前、僕たち日本人の祖先は現在のシベリアのような環境で狩猟採取生活を営んでいた。その頃の人たちは、2.4万年後の僕らの暮らしを想像できただろうか。そして僕たちは2.4万年後の日本を、世界を想像できるだろうか。10万年後のフィンランド西岸の姿を想像できるだろうか。

言語には寿命があると言われている。その寿命はおよそ500年だそうだ。

「いとおかし」が「マジ、エモい」に変化する。時間が経過すれば、言語は更に変化、枝分かれ、交雑を繰り返し、未来の人たちは現代の我々の言語とはまるで異なる言葉でコミュニケーションをするようになるだろう。そして粘土板に楔で刻まれた文字と異なり、植物繊維を薄く固めた紙の上に印刷された文字は、経年劣化が早い。さらにデジタル化が進んで電気信号に置き換わっていけば、電源の喪失と共に、我々の言語も消えてなくなる。

10万年後の人々に「ここに危険な物質が埋設されている」ということを伝えるためには、それを見越した伝達方法が必要になる。既にアメリカが、その計画に着手しているが、つまり原子力を使うということは、途方もない手間がかかるということだ。

原子力発電を継続する限り、放射性廃棄物は増えていく。フィンランドのオンカロに埋設される廃棄物が5,500トン。では、世界中にはどれだけの量がある?どのくらいのペースで増えていく?この数万年は動かなかった古い地層だって、10万年という長期間となればどうなるかわからない。

現代日本人の平均寿命が85歳(男性)。我々の生物的な尺度では、10万年後の未来に責任なんて持てないのだ。

今日はここまで。