たそかれ時。
かはたれ時。
次の季節の気配。
夏の暑い盛りにふっと空気が重くなる夕立の気配。
双葉の間に顔を出したばかりの新芽。
入道雲の上空で列をなす鰯雲。
海の群青が鈍色の空に滲む曇天の朝。
海と陸を繋ぐ波打ち際。
思い返せば、僕の中にある川のイメージは川岸から眺めるそれではなく、橋の欄干を握って海へ下っていく流れを見つめる景色だった。
じわりと変化する、その変化のただ中に立つことが好きなのだ。
夜中の首都高3号を西に向かう。
愛鷹あたりで一息ついたら一気に浜名湖まで距離を稼ぐ。
豊田JCTを過ぎて空が紫に変わる頃、左にウインカーを出して苅谷PAに滑り込む。
まだ動いていない観覧車の前でタバコに火をつける。
そういう時間。
東京ならお堀端。春の外濠公園でまだ咲いていない桜の匂いを感じる時。
冬はゆっくり来て欲しい。
気づかれないように忍び足で。

